こないだ、とある試験を受けてきたのです。
会場が、「東洋英和女学院大学」だったわけで、
ちょっと、女子大ってだけで、ワクワクしちゃうわけです。
受験番号を確かめて、大学の教室に入るわけです。
黒板に書いてある受験番号を参考に、席をさがすわけですけども、
全然、席が見つからないわけです。
どこだどこだと、探すわけですが、席がいっこうに見つかりません。
そうです、教室を間違えていたのです。
そんなことはどうでもよくて。
正しい教室に行くと、すんなり、自分の席が見つかりまして。
なんたって、一番前の席でしたから。
しかも、ワシの周りはほとんど欠席で、ガラガラ状態。
カンニングもできやしない。いえ、冗談です。
まぁそんなこともどうでもよくて。
そしたら、試験官が、「では、着席してください。これから・・・」
っと。
そしたら、女子大生のアルバイト的な人が試験問題を配り出すわけですね。
ひとりひとり、丁寧に、てきぱきと。
しばらくして、試験官が、
「それでは、問題用紙が配られてない人は居ますか?」
完全に、試験官の目の前のワシには、問題用紙が配られてませんでした。
まぁそんなこともどうでもよくて。
試験官がワシの視線に気がついて、
「なにやってんだよ」的な視線で、慌てて女子大生に顎(あご)で指示をだしまして、
そしたら、焦った女子大生が、教壇の角につまずいて、こけそうになり、
なんとか、踏みとどまったけど、ワシに渡すべき問題用紙を落としてしまいました。
その落とした問題用紙が、そのままワシの席に配られました。
ちょっと、問題用紙が汚れてました。
なんなら、床のホコリもおまけしてくれました。
まぁ、そういう星の下に生まれたと思って、現実を受け止めました。
そんなこともどうでもよくて。
午前中はそんな感じで、試験を受けまして、午後の試験に突入です。
午後の試験は、ちゃんと問題用紙がワシの元にも配られました。
試験官が、自ら。
そこは、女子大生でいいのではないかと、疑問を持ちつつ、試験に望むわけです。
試験もなかばに差し掛かったときに、事件が起きるのです。
消しゴムを床に落としてしまいました。
まぁ、こんなこともあろうかと、消しゴムを2個持っていたワシは、
備えあるもの憂いなし!っと心の中で叫ぶわけですが、
そんな余裕なワシに、背後から人が近づく気配。
消しゴムなんか拾ってくれんでも、ワシは2個持ってますけど、なにか?
そんな態度のワシを尻目に、
女子大生が、ワシの消しゴムを拾ってくれようと、
机の下にしゃがみこんだわけです。
「こ、これを落とされました?」
っと、ものすごく小さな小声でワシに囁く。
はいはい、落としましたよ。
拾ってくれんくても、ワシには第二の消しゴムがあるけどね。
そんな気持ちで、女子大生の手のひらに視線を動かすワシ。
なんと、そのやわらかそうな手のひらに置かれていたものは、
驚くことに、MONOの消しゴムではなく、
銀色の何か、きらびやかな、細長い長方体。
そう、資生堂の口紅だったのだ。
いや、資生堂だったかどうかは、定かではない。
シャネルだったか、カネボウだったのか、イヴサンローランだったのか、
はたまた、マックスファクターだったのか。
そんなことは、いずしらず。
目の前にあるものは、MONOの消しゴムではなく、
「資生堂 マキアージュ」的なものが、ワシに向けて、差し出されている。
なるほど。これをワシが落としたと。
女子大生は、そう言いたいわけか。
はは~ん、これは、何かのドッキリか?
どこかにテレビカメラが仕組まれとるわけね。
近年まれにみる、素人系のドッキリか。
いや、そんなわけはない。
とりあえず、「いえ、ちがいますけど・・・。」と言って、
女子大生を追い払うことにした。
一体全体、ワシのMONOの消しゴムは、どこへ??
一体全体、どういうことだ?
困惑するワシを、なんだか異様な空気が、包み込んだ。
なんと、あの女子大生が、試験官に、
ワシを見ながら事の一部始終を報告しているではないか。
こらこら、指を指すな!!
「あの~、あの人がぁ~口紅落としたのにぃ~落としてないってぇ~言うんですぅ~」
的な会話か??そうなんか?
ワシが落としてないって、嘘ついたみたいじゃん!
ワシに向かって、指を指すなって!!
お母さんに、「人を指さしたらダメ」って、教えてもらっただろうが!!
ユトリ世代め!!くそっ。
あ、ちょっと離れた隣の奴が、ワシを見よるきがする。視線を感じる!!
逆隣の奴も、ワシを見よるきがする!視線を感じる!!
後ろの奴も、ワシを見よるきがする!視線を、ビシビシ感じる!!
なんじゃこれ。
なんじゃこの空気!
「あの人、口紅落としたらしいよ」
「げ、キモっ」
「女装癖とか、あるんじゃね~の?」
「まったく、それが試験を受ける態度かね!」
っと、妄想の声が聞こえてくるぅ~。
あ~、もうだめ。
もう、人生が終わるってのは、こういうことを言うわけね。
試験が終わったら、ベイコンなのに。
もう、だめだわ。
猥褻物陳列罪で、逮捕される。
そんなことを、考えている間に、「そこまで!今から解答用紙を回収します!」
っと。
女子大生が、全員の回答を回収する中、ワシのだけ試験官が自ら回収。
なんだこれ。
なんだこの状況。
「では、これで試験は終わりです。忘れ物のないよう・・・」
ワシは、すぐには席を立たないわけです。
そう、MONOの消しゴムはいったい、どこへ消えたのですか?
神様、神様、教えてください!
私に、こんな試練を与えるなんて。
っと思いながら、机の下にしゃがみこんだら、
机の下のちょっと荷物が置けるよ的なスペースに、
レスポートサックの黒色の化粧ポーチが、チャック全開で、ワシを見ているではないか。
これか、これがあの、「資生堂 マキアージュ」的なやつの正体か!!
謎は全て解けた!!じっちゃんの名にかけて!!
ちょっとセリフも場面も、使い方が違うけど、そんな気持ち。
なるほど、なぜならここは、東洋英和女学院大学!!
女子大生の誰かが、忘れて帰ったわけですよ!!
これは、あのユトリ女子大生に言わねば!
誤解を解かねば!!
いや、もう手遅れか。
恥の上塗りか。
ここはそっと、退散したほうが、身のためか。
そう思い、ワシはそっと、教室を後にしました。
まぁ、起きたことは仕方ない!
人間は、前を向いて生きていくものだ!
あの、ユトリ女子大生のチクリも、許してやろう!!
そう思うと、心が晴れやかになりました。
余談ですが、
帰りの駅までのバスが満員でぎゅうぎゅうだったんですが、
「十日市場~十日市場に到着しました~お忘れ物のないように・・・」
あ、着いた、降りないとっと思って、「すみません、すみません」と言いながら、
人をかき分けて出口までたどり着いたけど、
「十日市場駅は次の十日市場駅前の乗車駅をご利用ください~」っと。
どうりで、誰も降りないわけね。
「こいつ、降りる駅間違えた」的な視線を全身に浴びながらの1駅は、
馬糞ウニを素手で握りしめるほどの苦痛に匹敵しますな。
旅の恥はかき捨て。そうとも。
どうせ、お前らとは、もう二度と会いはせんけぇ!!
ホンマに、ややこしい。
試験1つうけるのに、ややこしすぎる。
・・・・
・・・、きをつけなはれや!!