★生涯青春★


by succhinnmax

★雪の日★

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朝、というか夜、ドサドサっという何かが落ちる音で目がさめた。

おもむくままに、外へ出ようと家の扉を開けようと、ドアのぶをひねるが、

ドアが開かない。

力一杯、ドアを押してみると、少しずつ、少しずつ、ドアが開き始めた。

ドアの隙間から、なんだか白い粉のようなものが舞い込んできた。

同時に、冷めきった夜風が吹き込んできた。

寒さに耐えながら、なんとかドアを押し開けてみると、目に入るは、銀世界。

ドアが開かないほどに降り積もった粉が、辺り一面を、白くしていた。

そう、今日はいわゆる『雪の日』だ。

暇で塗り固められたワシの人生にはもってこいのイベントだ。

とりあえず、ささっと身支度を整えた。

ヒートテックを着て、ジーパンの下にタイツも履いて、手袋はめて。

もちろん、靴下はハイソックスとくるぶしソックスで、二重だ。

いざ、銀世界へ出発。

もちろん、iPodの選曲は、槇原敬之さんの『北風〜君にとどきますように〜』ですね。

♪今君がこの雪に〜気づいてないなら、誰より早く教えたい〜心から思った〜♪

ワシに、誰よりも先に伝えたい『君』は、いませんけどね。

♪北風がこの街に雪を降らす〜歩道の錆び付いた〜自転車が凍えている〜♪

ワシの自転車、雪に埋もれて、凍えるどこれではないわなぁ。

なんて思いながら、道路か歩道なのかわからない道を進んでいくと、

曲が終わりる前に、iPodの充電がなくなった。

あたりの静けさが、ワシの五臓六腑に染み渡った瞬間だった。

誰一人として歩いていない雪の上を歩くという優越感で、寂しさをまぎらわす。

だんだん最寄り駅が近づいてくるにつれて、足跡が増えてきた。

駅に着くと、プチ帰宅難民のみなさんが、バス停に行列を作っていた。

電車が止まっていることを確信しながらも、駅の改札へ向かう。

改札前には、ほとんど人もおらず、なんとなく、Suicaをかざして改札をくぐると、

駅員『電車は今は動いておりませ〜ん。』

っと、拡声器越しに、駅員のデカイ声が、駅の改札に響き渡った。

誰かに拡声器で注意されたのは、人生初めてだ。

ってか、改札を閉じとけよ。

Suicaの履歴を消去してもらい、

駅員『本日、大雪の影響で、運行見合せております。』

っと、拡声器越しの駅員の声が再び改札へ鳴り響いた。

いや、ワシしか改札におらんけどね。

拡声器、やめろや。

さて、まるで生きる道を見失ったかのように、行き場を失ってしまった。

生きる理由など、所詮、持ち得てないワシにとっては、目の前は断崖絶壁。

道なんて、最初から無かったと思えば、新たな一歩が、道になるのだ。

そんな、ドキュメンタリー番組みたいなことを思いながら、隣の駅に歩いて向かうことにした。

相変わらずの、銀世界。

隣の駅に歩いて行く集団の後ろを着いていくことで、歩ける道を確保した。

先頭の誰が右に避ければ、みんな右に避ける。

先頭の誰が左に避ければ、みんな左に避ける。

まるで、あのEXILEのように。

パフォーマー気分で、歩いていると、急に、先頭の足取りがわるくなった。

先頭を見ると、アホな大学生が、3人で細い歩道で雪だるまを作って遊んでいました。

何故か、みんな、ドンキホーテで売っているキャラクター着ぐるみ風寝間着を着て。

ガチャピンと、ネコと、あと一人は何かよく分からんかったが。

細い歩道では、邪魔以外のなんでもない。

せっかくパフォーマー気取りで歩いていたのに、歩みを止められて、台無しだ。

ドン引きだ。

ワシも、かつて、ドンキホーテで買ったドラえもんの着ぐるみを着て、結婚式の二次会をドン引きさせた経験者だが、

こんなにも、ドン引きさせたつもりはない。

そんなことなど、露知らず、大学生は楽しそうに雪をまるめている。

直径1メートルはあっただろうか。

まったく、大学生が楽しそうで、うらやましい。

出来ることなら、加わりたいぐらいだ。

そんな大学生を尻目に、歩くこと20分ぐらいか。

隣の駅が視界に入ってきたタイミングで、強風にあおられて、折り畳み傘が、折れた。

がっつり、見事に、折れた。

私にはどうすることも出来なかった。

折り畳み傘がワシを隣の駅に行くまで、必死に雪を受け止めていてくれたと思うと、

涙が止まらなかった。

というのは、嘘である。

折れた折り畳み式傘など、何の価値もない。

ゴミそのものだ。

折り畳み傘が折れたとか、ちょっと日本語としても、めんどくさい。

ため息と共に、コートのフードを深くかぶり、隣の駅に無事に到着した。

隣の駅には、最寄り駅とは違い、改札に人が溢れていた。

動かない電車に対して、ひたすら待ち続ける人たち。

♪きっと君は来ない〜一人きりのクリスマスイブ〜サイレンナーイ〜ホーリーナーイ♪

のJR東海のCM状態か。

とりあえず、ワシは、動いている方の電車の改札へ。

JRとは違い、こっちは普通に動いている。

多少、期待はずれだった。

このブログのオチとして、

『隣の駅まで頑張って歩いたけど、やっぱり電車が動いてなくて、仕方なく、また歩いて引き返しました。トホホ…』

的なのが、しっくりくると思っていたが、いささか期待はずれだ。

仕方ないので、電車に乗ることにした。

電光掲示板の表示は多少遅れているようだが、ホームに上がると、すぐに電車がきた。

順調にことが進むことほど、つまらないことはない。

特に、こんな『雪の日』には。

電車の乗客数も普通で、満員電車にもならない程度。

これでは、普通に会社に通勤しているのと変わらないではないか。

もっと事件を、もっとハプニングを、もっと刺激をくれ。

そう思いながら電車に乗っていると、あっという間に乗り換えの駅に到着。

電車を乗り換えるタイミングで、横の席に、若い恋人たちが座ってきた。

男『どーする?どーする?』

女『え〜。帰るよー。電車動いてるうちに帰るよー。』

男『いや、もう動いてないって〜。』

女『動いてるって、書いてあるよ〜。』

男『そこまでたどり着いたら動いてないかもしれないじゃん。』

女『え〜。そうかなぁ。でもなぁ。』

男『うちに、今日はおいでよ。』

女『え〜でもぉ〜。』

男『雪で寒いし、ブーツの中も濡れたでしょ?』

女『そうだけどさぁ〜。』

男『いいじゃん、いいじゃん。』

世の中が大雪で冷めきった中でも二人で身も心も暖まろう作戦が、バレバレである。

女も、だらだらせずに、覚悟をきめろ。

今日、お前はその男に抱かれる運命にある。

男『ねぇ、どーする?次の駅だけど?』

女『じゃ、駅降りたらお母さんに電話しとく。友達の家に泊まるって。』

最初から抱かれる気だったパターンね。

なるほどね。

iPodが壊れなかったら、聞けない話だったな。

日々の日常に、耳を傾けてみるのもたまにはいいかな。

降車駅で降りる時に、ワシの足元に置いておいた折れた折り畳み傘を、

濡れたブーツで蹴って行ったことは、

二人の未来の幸せに免じて、許してやろう。

そんなこんなで、目的の駅に到着。

駅を出ても、相変わらずな銀世界。

都内の廃棄熱のせいか、雪がべちゃべちゃだ。

べちゃべちゃ雪に気をつけて、目的地へ歩いていると、また雪だるまを作っている二人組とすれ違う。

やっぱり、歩道で作っている。

道路の雪より、積もったままの雪の方が作りやすいよね。

しかも、こいつらも、ドンキホーテで売っている着ぐるみを着ているではないか。

関東では、雪だるまを作る時は、ドンキホーテで売っている着ぐるみを着るのが主流のようだ。

相変わらず、雪だるまを作っている奴らは、とても楽しそうだ。

子供の頃は、雪が降るのが楽しみだったのに、

今では、単純にわずらわしい気象現象に過ぎない。

雪が降るだけで、電車が止まる、雪で歩きにくい、寒い、とか、マイナスなことばかり。

ため息しか出ない。

クルム伊達さんも、ご立腹だ。

そんな感情しかもてない大人になったかと思うと、とても残念だ。

アントニオ猪木が、言ってます。

『馬鹿になれ!とことん馬鹿になれ!

恥をかけ!とことん恥をかけ!

かいてかいて恥かいて、裸になったら見えてくる

本当の自分が見えてくる

本当の自分が笑った、それぐらい、馬鹿になれ!』

昨年、無断で北朝鮮に行って、罰せられ、

一部のメディアには、『本当に馬鹿だった。』などと酷評されてますが、

本当に、そうなのでしょうか?

本当に馬鹿なのは、

国会で堂々と寝てる奴らや、金銭問題であれこれ騒がれる奴らではないのでしょうか。

アントニオ猪木は、ただやみくもに北朝鮮にこだわっているわけではない。

『プロレス界の父』と呼ばれる力道山との深いいい話があるはずだ。

ただ座って何もしない国会議員より、

自ら行動して罰せられる方が、国のことを考えているように思います。

プロレスラー、なめんなよ。

というようなことを、今、ふと思ったので書いてみた。

とりあえず、雪だるま作りの大学生と二度目の遭遇を果たして、目的地のビルに到着。

特にこれ以上、書くことは無いので、このへんで、筆をおかせて頂きます。

あー、疲れた。

公園にある象も、雪が積もるとマンモスみたいですね。
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by succhinnmax | 2014-02-09 14:51